2011-10-25(Tue)
あおりんご 1
≪第一章 プロローグ≫
「大丈夫、あぶなかったね」
車にぶつかりそうになったのを心配してそんな言葉を投げかけたのですが、
彼女、黒木さんはそんな事を無視して「彼女、そういえばお友達だとか言ってたわよね」
タクシーを振りかえる姿はキリッとひきしまったような顔をしていました。
彼女の眼光は鋭く、まるで燃えているような目を投げかけたように感じたのです。
ドキッとしましたが冷静に、
「うん、そう。 ほら、あそこのアパート」
「へぇー、ホントに近かったんだ」
「でも、たった今、引っ越しして、それでお見送り」
「えっ、それじゃバイバイ?」
「まっ、そういうことになるかな?」
ちょっち、複雑な心境・・・
丁度そのタイミングでかあちゃんが店から出てきました。
「あら、もう行っちゃったの?」
「そんなもん、車やのに直ぐ行ってしまうわ」
「そりゃそうやね。 あら、こんにちは」
かあちゃんが黒木さんを見て挨拶。
「こんちには、おじゃましています」
「こんなところで話なんかしてないで中に入ってもらったら」
「ありがとございます。 でもちょっと急ぎますので」
「あらそう、じゃまた今度ゆっくりいらしてね」
「ありがとうございます」
オカンはそそくさと店に入ってしまいました。
「いいお母さんね」
「そっかな? まぁ、なんちゅーか、よぉ~わからんわ」
「なんとなく気楽そうで」
「うん、まぁ、そやね。 それより急ぐん?」
「別にそんなわけじゃないけど、おうちに入ったら長居してしまいそうで。
今日、卒業式だったでしょう。
私も今日はお祝いで、お外で食事しようって言われてるから夕方前には帰りたいと思って」
「それなら、まだ少し時間あるん?」
「うん、1~2時間ぐらいなら大丈夫」
最初は怖い目をしていたのですが、今では柔らかい目に変わっていました。
女って怖い、時には鋭い表情を見せながらもフッとしたときにやさしく表情を変える。
まだまだチュー坊のボクが、女性の心理など理解できるはずもない。
そもそも女性とつきあったといえる経験は・・・
奈美、か・・・
奈美とはキスやエッチもしたけど、でもなんちゅうか幼なじみで小さな時からの付き合い。
まるで兄弟みたいに育って、寝る場所が違うくらいで、そばにいててもまったく違和感がない。
喧嘩しても家族のように謝ることもせず、いつのまにかそんな事を忘れて仲直り。
そんな奈美との関係だったから、ちゃんとした女性とつきあったとはいえない。
改めて女性とつきあう難しさを感じた瞬間でした。
女は謎、だからこそ楽しいんだろうけど。
「大丈夫、あぶなかったね」
車にぶつかりそうになったのを心配してそんな言葉を投げかけたのですが、
彼女、黒木さんはそんな事を無視して「彼女、そういえばお友達だとか言ってたわよね」
タクシーを振りかえる姿はキリッとひきしまったような顔をしていました。
彼女の眼光は鋭く、まるで燃えているような目を投げかけたように感じたのです。
ドキッとしましたが冷静に、
「うん、そう。 ほら、あそこのアパート」
「へぇー、ホントに近かったんだ」
「でも、たった今、引っ越しして、それでお見送り」
「えっ、それじゃバイバイ?」
「まっ、そういうことになるかな?」
ちょっち、複雑な心境・・・
丁度そのタイミングでかあちゃんが店から出てきました。
「あら、もう行っちゃったの?」
「そんなもん、車やのに直ぐ行ってしまうわ」
「そりゃそうやね。 あら、こんにちは」
かあちゃんが黒木さんを見て挨拶。
「こんちには、おじゃましています」
「こんなところで話なんかしてないで中に入ってもらったら」
「ありがとございます。 でもちょっと急ぎますので」
「あらそう、じゃまた今度ゆっくりいらしてね」
「ありがとうございます」
オカンはそそくさと店に入ってしまいました。
「いいお母さんね」
「そっかな? まぁ、なんちゅーか、よぉ~わからんわ」
「なんとなく気楽そうで」
「うん、まぁ、そやね。 それより急ぐん?」
「別にそんなわけじゃないけど、おうちに入ったら長居してしまいそうで。
今日、卒業式だったでしょう。
私も今日はお祝いで、お外で食事しようって言われてるから夕方前には帰りたいと思って」
「それなら、まだ少し時間あるん?」
「うん、1~2時間ぐらいなら大丈夫」
最初は怖い目をしていたのですが、今では柔らかい目に変わっていました。
女って怖い、時には鋭い表情を見せながらもフッとしたときにやさしく表情を変える。
まだまだチュー坊のボクが、女性の心理など理解できるはずもない。
そもそも女性とつきあったといえる経験は・・・
奈美、か・・・
奈美とはキスやエッチもしたけど、でもなんちゅうか幼なじみで小さな時からの付き合い。
まるで兄弟みたいに育って、寝る場所が違うくらいで、そばにいててもまったく違和感がない。
喧嘩しても家族のように謝ることもせず、いつのまにかそんな事を忘れて仲直り。
そんな奈美との関係だったから、ちゃんとした女性とつきあったとはいえない。
改めて女性とつきあう難しさを感じた瞬間でした。
女は謎、だからこそ楽しいんだろうけど。