2012-02-23(Thu)
あおりんご 49
「何してるの?」
「ちょっと、シャーペンが壊れちゃったみたいで。 ほら、これ」
カチ・カチ・カチ
「違うでしょ。 何かあったんでしょう」
「何かってなに?」
「ほら、青井君がそばを通っていったじゃない」
「あれっ、そうだった? 理科室に行ったんじゃない。 気が付かなかった」
「なにこの、知らばっくれちゃってさ」
「ほんとに、なにもなかったんだから」
「そうなの、なにも進展ないのか」
「ほらほら、早く行かないと遅れちゃうでしょ」
「ゆいだって、じゃ先行ってるわよ」
「うん、すぐいく」
私も慌てて教室を出て理科室に急ぎました。
本当は走りたいんだけど、風紀委員長が廊下を走っちゃダメだよね。
そんな制約が実は気持ちいいんです。
ヤリたいけどやっちゃダメ、でもなんとかしてその隙間を縫う。
そんな自分とのやり取りが結構好きなんです。
放課後、生徒会室で一人文章をまとめていると香奈子がやって来ました。
彼女は放送部に入っててたまに“生徒会だより”の打合せに来ます。
最初のうちはお仕事の話で打合せ。
その後はお互いダベリングモード。
そのうち香奈子がとうとう聞いてきたのです。
「ねえ、ゆい。 その後彼とは本当はどうなの? あれからなにもないの」
「いや、まっ、ちょっとね」
「なによ、そのちょっとって」
「いいじゃない、ほんとにちょっとだけなんだから」
って、最初のうちは隠してたんですが、
香奈子があまりにもしつこく聞いてくるのでとうとう彼のおうちにおじゃましたことを告白しました。
「やるじゃん、ゆい。 それでこそゆいね」
「なによそれ、褒め言葉? それとも貶し言葉?」
「いや、その両方!」
「いやだ」
「ねえねえ、彼のおうちに行ってだいじょぶだったの?」
「だいじょぶってなにが?」
「だって女一人が男のうちに行ったんでしょう? 何かあるのが普通でしょう」
「だってCD借りに行っただけよ。 他になにがあるっていうのよ」
「わかってるくせに。 他に誰もいない密室で彼の腕に抱かれてギュッと」
「あははっ、ないない」
「抱かれたゆいはトロンとしてしまって、お互い見つめる目。 そしてゆいの目が閉じられると淡い乙女の唇が奪われる」
「キャハハ、やめて」
「恋の免疫ができてないゆいはキスされて、緊張のあまりにスカートの下に伸びる手に気が付かなかった」
「・・・」
「ゆいのスカートをめくられると純白のショーツが・・・ あやうし処女の純潔」
「本の読み過ぎだって」
「という風なことになるかもしれないのよ」
「ダメだって、そんな風にならなわ」
「まっ、ゆいのことだから大丈夫だとは思うけど、男の毒牙にも噛まれてみてもいいと思ってんじゃない」
「そんなに色気があるかしら、私に」
「いや~、男はわからないし、ひょっとしてひょっとするかもよ」
「ちょっと、シャーペンが壊れちゃったみたいで。 ほら、これ」
カチ・カチ・カチ
「違うでしょ。 何かあったんでしょう」
「何かってなに?」
「ほら、青井君がそばを通っていったじゃない」
「あれっ、そうだった? 理科室に行ったんじゃない。 気が付かなかった」
「なにこの、知らばっくれちゃってさ」
「ほんとに、なにもなかったんだから」
「そうなの、なにも進展ないのか」
「ほらほら、早く行かないと遅れちゃうでしょ」
「ゆいだって、じゃ先行ってるわよ」
「うん、すぐいく」
私も慌てて教室を出て理科室に急ぎました。
本当は走りたいんだけど、風紀委員長が廊下を走っちゃダメだよね。
そんな制約が実は気持ちいいんです。
ヤリたいけどやっちゃダメ、でもなんとかしてその隙間を縫う。
そんな自分とのやり取りが結構好きなんです。
放課後、生徒会室で一人文章をまとめていると香奈子がやって来ました。
彼女は放送部に入っててたまに“生徒会だより”の打合せに来ます。
最初のうちはお仕事の話で打合せ。
その後はお互いダベリングモード。
そのうち香奈子がとうとう聞いてきたのです。
「ねえ、ゆい。 その後彼とは本当はどうなの? あれからなにもないの」
「いや、まっ、ちょっとね」
「なによ、そのちょっとって」
「いいじゃない、ほんとにちょっとだけなんだから」
って、最初のうちは隠してたんですが、
香奈子があまりにもしつこく聞いてくるのでとうとう彼のおうちにおじゃましたことを告白しました。
「やるじゃん、ゆい。 それでこそゆいね」
「なによそれ、褒め言葉? それとも貶し言葉?」
「いや、その両方!」
「いやだ」
「ねえねえ、彼のおうちに行ってだいじょぶだったの?」
「だいじょぶってなにが?」
「だって女一人が男のうちに行ったんでしょう? 何かあるのが普通でしょう」
「だってCD借りに行っただけよ。 他になにがあるっていうのよ」
「わかってるくせに。 他に誰もいない密室で彼の腕に抱かれてギュッと」
「あははっ、ないない」
「抱かれたゆいはトロンとしてしまって、お互い見つめる目。 そしてゆいの目が閉じられると淡い乙女の唇が奪われる」
「キャハハ、やめて」
「恋の免疫ができてないゆいはキスされて、緊張のあまりにスカートの下に伸びる手に気が付かなかった」
「・・・」
「ゆいのスカートをめくられると純白のショーツが・・・ あやうし処女の純潔」
「本の読み過ぎだって」
「という風なことになるかもしれないのよ」
「ダメだって、そんな風にならなわ」
「まっ、ゆいのことだから大丈夫だとは思うけど、男の毒牙にも噛まれてみてもいいと思ってんじゃない」
「そんなに色気があるかしら、私に」
「いや~、男はわからないし、ひょっとしてひょっとするかもよ」